セゾンさゆりのブログ 2023.3.6
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ベアードビールファンの皆様へ、
改めてですが、ベアードビールは定番12種類、毎年リリースする季節限定が26種類、リアルエールや単発的なものを含めると年間50種類以上作っているのではないでしょうか。その他飲食店や企業のためのOEMを含めるとさらに+10種類くらいあります。
こんなに多くの種類を造れるのも、3つの醸造設備があるから。新設した修善寺ブルワリーの6000L仕込みを始め、沼津時代から使用している240L仕込み、1000L仕込みの醸造設備も移設し、新人ブルワーの育成や、新商品の開発、新原材料のテストなどに利用しています。
そんなたくさんある商品の中で、今日は、今月のマンスリービアスタイル「モーニングコーヒースタウト」についてお話したいと思います。
ブルワリーの2階にあるブライアンの部屋には、壁一面に23年間のレシピが詰まった大きな棚があります。その中でコーヒースタウトのフォルダーを探して、最初に作られたのはいつだったかなぁと調べてみました。日付を見ると2002年1月5日。2001年1月から醸造が始まったので、もう1年後には作っていたんですね。その頃は54Lのビール樽を改造した醸造設備で仕込んでいたので、出来上がりは30Lの樽1本。それから毎年試行錯誤を続けながら、少しずつ進化していきました。
特に苦労したのは、どうやってコーヒーのエキスを最大限に抽出するか、ということ。第一弾はフィッシュマーケットタップルームで提供していたハワイ・コナコーヒーのチョコマカダミアを利用し、実際にコーヒーを造り、麦汁側に加えていました。それから毎年、コーヒー豆を変えたり、豆を荒く潰して加えたり、色々な方法を試してみました。ある時、コーヒーの作り方で「水出しコーヒー」があることに気づき、それならば熱い麦汁側ではなく、ドライホップの要領で低温熟成中のタンクにそのまま豆を投入してみたらどうか、と考えました。そこで、修善寺ブルワリーに移設した2014年に初めてその方法を試してみました。結果は・・・最も手間がかからなくて、最大限にコーヒーのフレーバーが引き出せる!ということを確信し、それ以降はずっとこの方法を採用しています。
もともとコーヒー好きの私達は、ブライアンがシアトルで醸造インターンをやっていた頃、まだ世界規模でなかったスターバックスにもよく行き、毎朝コーヒーを楽しんでいました。シアトルにはブルワリーもいくつかあり、その中の一つがコーヒースタウトも作っていて、最初に飲んだ時の感動は、今でも忘れられません。おいしいーと思わず笑みがこぼれました!
よく名前の由来を聞かれますが、実はこれ友人が作った曲のタイトルだったんです。創業当初沼津のフィッシュタップには沼津で英語を教えている外国人の先生たちがよく来ていました。その中の5人組がCODEというバンドを組んでいて、お店で何度もライブを行い、とっても盛り上げてくれました。その彼らの曲の中に「モーニングコーヒー」という曲があり、ブライアンの頭の中にその言葉がなぜか引っかかっていたそうです。そこで、コーヒースタウトを造ろうと思った時に、その曲からインスパイアされて「モーニングコーヒースタウト」と名付けたそうです。
ラベルも、ブランチタイムのゆったりしたイメージで、パンケーキとコーヒーが描かれています。そんなブランチタイムにもピッタリなコーヒースタウト。毎年コーヒースタウトが出るとこれしか飲まない超熱狂ファンがいるほど。3月1日から販売を開始しています。是非お店やご自宅で楽しんでくださいね!
Cheers!
ベアードさゆり