セゾンさゆりのブログ 2024.6.23
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ベアードビールファンの皆様へ、
最近ベアードタップルームでは、リアルエールの人気が再燃しています。今更ですが、リアルエールとは何かご存知ですか?
リアルエールとは伝統的な原材料で醸し、充填する容器の内部で二次発酵/熟成/自然発泡するビールのこと。そして、その熟成の進み具合を見極め、提供する時期を判断します。提供する際には炭酸ガスで押し出して注いではならないので、ハンドポンプで汲み上げて提供します。
ベアードビールは、樽ももちろんですが、瓶もボトルコンディションと呼ばれる同じ製法ですべて作られています。
リアルエールの話に戻りますが、ベアードでは販売開始の2001年には、5種類のビールを提供していましたが、最初はすべてこのリアルエール方式でハンドポンプを通して提供していました。今思えば、無謀でしたねぇ。「ぬるい」「炭酸が抜けている」「ビールじゃない」と、大手ビールのような地ビールを期待したお客様には大不評でした。でも、中には、「イギリスで飲んだビールは、こんな感じだったな」と好きになってくれる方も!一人一人、エールビールの歴史や、スタイル、美味しさを我慢強く伝え、だんだんと飲みに来てくれる人が増えてきました。
それから24年。各タップルームでは、それぞれの店のコンセプトに合わせて、その店オリジナルのリアルエールを提供してきました。今取り組んでいるのは、修善寺ブルワリーの250Lの小さな仕込み設備を利用し、忘れ去られてしまった古いスタイルを復活させたり、ちょっと遊び心を加えた独創的なオリジナルのリアルエールづくりです。ブルワー達も、小さな設備ならではの面白さ、大変さを、この造りを通して学んでいます。
タップルームでは、UKパイントで提供していますので、大きなグラスで、たっぷりと、ゆっくり、じっくり、時間をかけて、味わってください。イギリスで、昔からパブの定番として、パブリカンが愛情と誇りをもって提供しているリアルエール。時代は変わっても、変わらずにその良さを保ち続けているもの。それがこのリアルエールです。
修善寺のブルワリーの冷蔵庫内で、数種類のリアルエールが、出荷の時期を静かに待ち、熟成中です。そろそろリリースされるものもありますので、どうぞお楽しみに!
ベアードさゆり