セゾンさゆりのブログ 2025.3.5

ベアードビールファンの皆様へ、

今年は日本のクラフトビール(地ビール)誕生30周年を記念して、来る20254月10日()13()に「ビアEXPO2025」が幕張メッセで開催されます。これまでにない「企業展示」「ビアカンファレンス」「ビアフェス」を統合して行う日本初のクラフトビールに特化したイベントです。

北海道から沖縄まで全国200以上のブルワリーが集結するビールイベントで、銘柄は500以上と、飲みきれないほどのビールが勢ぞろいするとのこと。ベアードビールも参加するこのイベントの詳細はこちらを参照ください:https://0423craft.beer/expo2025/

このように盛り上がりを見せているかのような国内クラフトビール産業ですが、30年経った今でもシェアはビール・発泡酒市場の1.7%程度と、他主要国に比べて、大きく後れを取っています。JBA(日本クラフトビール業界団体連絡協議会)の統計によると、アメリカやオーストラリア、イギリスでは、2008年あたりから急激な伸びを見せ、まさに右肩上がりの成長を遂げ、5%から14%ほどのシェアを占めています。そして同じアジア圏では、韓国、シンガポール、台湾も同様に伸びており、シェアは日本の倍以上です。

なぜこのように伸びが遅いのか、色々な要因が挙げられると思いますが、大きな要因の一つは酒税の高さです。令和2年から8年にかけて酒税法が改正され、令和810月からは、ビール、発泡酒の酒税が155/Lに統一されます。それを見据えてか、最近は大手も、クラフトビールやプレミアムビールに路線を変更してきているように見えます。

大衆向けのお酒と高級なお酒の税率に差をつけることで、税金を納める経済力に応じた負担をしてもらおうという観点から、酒税は細かく分類されています。しかし、お酒の中でも、アルコール度数の低いビールに係る税金がなぜこれほど高いのか。ビールは舶来品で、昔は贅沢品でした。一般庶民に浸透した今でも、昔の名残が残っているのではないか個人的には考えています。さて、どれくらいお酒に酒税がかかっているかというと、酒税の負担率でいうと、一般的なビール350mlでは42%、清酒1.8L18%、焼酎37%、ウイスキー22%と、極端にビールが高いんです!ビール好きの皆さんは、高額納税者と言えるかもしれませんね(笑)。

私達はアメリカのクラフトビール産業をいつも近くで見ていたため、2014年に修善寺にブルワリーを立ち上げた時も、10年度には日本のクラフトビールのシェアが5-10%に成長している(して欲しい)という強い思いから規模拡大したのですが、その予想(期待)は間違っていました。またその間に世界的なコロナ感染拡大もあり、製造量、売上共に40%も落ち込んでしまいました。それから3年経ち、もう少しのところまで回復していますが、いまだコロナ前の状態に完全に戻っているとはいえない現状です。

そんな中で、ここ数年で小規模クラフトビール新規参入が急激に増え、醸造所の数は今では800から1000か所に迫る勢いだと報じられています。それに加え、クラフトジン、クラフトラム、クラフトウィスキーなどの蒸留所も増え、いちだんとクラフト業界の競争が激しくなっています。

一般消費者にとっては、飲む種類が増え、楽しみ方も多様化してきました。しかし原材料費や光熱費の高騰、輸送や管理コスト高、そして酒税の負担等、小規模メーカーにとってはなかなか利益を出しづらい状況にあり、小さいシェアの中で、売上を伸ばしていくことは、ますます難しい課題となっています。

当社の課題のもう一つは、いかに数多くのクラフトビールの中から、ベアードビールを手に取ってもらえるか、飲んでもらえるか、ということです。そのために、SNS、イベント、キャンプ、タップルーム等を通して、色々な情報を発信しています。

キャンプ場経営も、開設前は、ベアードファンがキャンプに来る、ということを予想していたのですが、実はキャンプ目的で、ベアードビールを知らないお客様が結構多いことに驚いています。逆を言うと、ベアードビールを知ってもらういいプロモーションにもなっています。

地元のスポーツチーム(アスルクラロ沼津)のスポンサー活動もそうです。先日の松本戦ではアウェーから5000人ものサポーターがいらっしゃいました。毎回松本戦はそうなのですが、皆さん試合前から、列をなしてベアードビールのサービングが始まるのを待ってくれています。「沼津戦はビールがおいしいからいつも楽しみ!」というお声をたくさんいただき、嬉しい限りです。

若者のアルコール離れ、高齢化など、ビール産業の環境は厳しくなる一方です。しかし、ビールを通じて人と人とのつながりが感じられたり、喜びを共有できたり、これからもビールの役目は人生をより豊かに、幸せにすること、それは変わらないはずです。

皆さんにはこれからも、自分のお気に入りのメーカーを支援し、愛飲し、継続したサポートをお願いしたいと心から願います。私達も淘汰の時代に生き残り、次世代へベアードビールの美味しさを、コミュニティの楽しさ、温かさを、繋いでいけるよう、これからも頑張り続けます!

 

ベアードさゆり

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