セゾンさゆりのブログ 2019.8.1

Sayuri Baird

20197月。ブライアンが日本に来てから30年が経ちました。22歳で初めて日本を訪れた時は、「スシ」「ゲイシャ」くらいしか日本語を知らないという典型的な外国人でした。そんな彼が最初に訪れたのが大阪・泉佐野市。ブライアンの大学の先輩が先に来ており、その先輩と入れ替わる形である英語学校の講師として採用されたのがきっかけでした。そんな彼が片言の日本語でアルバイトを始めたのが居酒屋ロンスター。泉佐野では珍しいテキサス風のステーキが自慢の洋風居酒屋でした。ロンスターのマスター中本さんは、時には厳しく、いつもは愛情たっぷりでブライアンに接し、次第に彼のメンター的存在になっていきました。

ローンスター

それから30年。マスターは当時のロンスターは手放したものの、5年前に小さな規模で再出発し、ビールはベアードビールをメインにしたお店を立ち上げました。マスターの人柄に魅かれて多くの常連さんが相変わらず通っています。私達よりも20歳近く年齢が離れていますが、「泉佐野産のものでオリジナルビールを造り、次の世代に残していきたいんや」と夢を語る眼はきらきらと輝いています。数年前からいろいろなアイディアをもらいましたが、名物であればなんでもいい、ということではありません。私達が造るからにはおいしいビールを造らなければ意味がない。ただのお土産ビールは造りたくない。ということで、話は進んでいませんでした。

中本さんとスリーショット

ところが、先週末大阪へ行った際に、そんな私達をわくわくさせるような原材料に出会いました。それは、マスターが実験的に育てているホップ。まだ1年目でしたが期待以上によく育っていました。そして無農薬で育てているうぶどう。ワイン好きが高じてぶどうの木を購入、育てているというマスターの知人の畑へ伺いました。風通しが良く、太陽も燦々と降り注ぐ絶好の環境で、数種類のぶどうが無農薬で強くたくましく育っていました。同じ品種でも土が違えば味わいも変わってくるのが、ホップやぶどう。ブライアンの頭の中で、味わいのイメージが広がっていきました。今年の収穫分は実験的に仕込もうと思っていますが、泉佐野の土地ならではの、どのような個性が生まれてくるのか、楽しみです。

マスターのホップ

このようにブライアンのメンターと30年越しに一緒に何かを造り上げることができるなんて、人生とはなんと素晴らしいのでしょうか。まさにジョイ・デ・ビブレ!人生の喜び!です。

30年経って、また泉佐野とのつながりができ、大きな円(縁)となりました。これからその縁がどこまで広がっていくのか。マスターの願う夢のように、子や孫の世代まで受け継げるものが残せたら、、、最高やな。

ベアードさゆり

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