惚れ直したぜ!惚れ直したぜ!:黒船ポーター

11月 2, 2017by Baird Beer

惚れ直したぜ!:黒船ポーター

2017年1月からの新シリーズ「Falling in Love Again ~惚れ直したぜ!シリーズ」を行います!毎月1種類の定番ビールを紹介し、面白いトリビアやストーリーを公開します。

 

11月は、コアなファンも多い黒船ポーターを紹介します。

 

黒船ポーター

 

黒船ポーターは、ベアードビールの創業当初から定番として造られているビールのひとつ。レシピは、時間をかけて少しづつ進化してきましたが、その全体的な味わいの印象は常に変わっていません。それは、この上なくスムーズなロバスト・ポーターであるということ。その複雑さは、初めは繊細で控えめですが、ひと口ごとに奥深さがはっきりとしてきます。

 

クラシックなポーター

 

歴史的には、ポーターは古典的なエール・スタイルのひとつで、ロンドンがポーター醸造の発祥の地であるといわれています。ポーターの荒削りで滋養に富むスタイルは“液体のパン”と呼ばれ、とりわけ労働者に人気でした(荷物を運ぶ労働者・ポーターに好まれたのがビールスタイルの名前の由来)。しかし近代化が進むにつれ大量生産・大量消費のラガーに人気が集中し、ポーターは存続の危機にありました。 現代のポーター醸造のリバイバルは、1980年代初頭に始まったアメリカのクラフト・ビール・ルネッサンスのお陰といってもいいかもしれません。忘れ去られたスタイルにもう一度光を当て、掘り起し、復活したスタイルなのです。いいものは時を越えて人々に愛される、ということを見事に証明しました。

 

ベアードの黒船ポーターは、なめらかで力強く、 口の中にチョコレートやコーヒーのような ビタースウィートな余韻を残します。 何杯飲んでも飲み飽きない、バランスの良さも特徴です。暑い夏には、グラスに入れたポーターの中にバニラアイスをワンスクープ落としてフロートにして飲むと、コーヒーフロートに負けないくらい美味!寒い冬には、ちょっとブランデーやウイスキーを足して、アルコール度数を上げて飲んでもいいかもしれません。ちょっと贅沢に、料理の原材料として、肉料理のソースや、煮込みに使うと、深みのある料理に仕上げてくれます。使い方はあなたの創造力次第で、いろいろな形に変化できるのも、クラフトビールの醍醐味ですよね。

 

美味しそうなポーターフロート

 

最後にラベルの話。人類の歴史と、ビール醸造の進化は密接に絡み合っています。 黒船ポーターのラベルは、その相互の関わりを強調し、日本における19世紀半ばの歴史的瞬間(ペリー来航)と、同じく19世紀半ばに人気のあった英国のビールスタイルを結びつけています。

 

ペリー提督の黒船の一つ

 

このように、ベアードビールは、すべてにストーリーがあります。パーソナルなこと、歴史的なこと、スタイルのこと、いろいろなストーリーに思いを馳せながら造られています。皆さんにも、自分の体験と合わせながら、楽しんでいただけたら幸いです。

 

多くの皆様に、この新しいシリーズを楽しんでいただき、定番ビールに「惚れ直したぜ!」と言っていただけることを願っています。乾杯!

 

ベアードさゆり