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クラフトビール・ワールドの最前線リポート
ハレヤマ
2015.04.17 


 

「ビールを祝福する」ことは、ベアード・ブルーイングの理念と文化の中核にあります。定期的な読者の方は私の記事でこの表現を何度も目にしていることでしょう。その意味は、仕事を終えた後、自宅でビールを飲む幸福感をも確かに含んでいます。さらに広く、奥深く追及すると、ビールの地域発展への役割も反映しているのです。その視点からすると、パブというのは市民のための偉大なる文化的施設なのです。

 

このような地域的観点から「ビールを祝福する」からこそ、私達は新宿駅のパブ「ベルク」が大好きです。また、3月にリリースされた彼らの25周年ビール「ハレヤマ」を醸造できて、大変光栄でした。

 

結美さん、ジョン、さゆり、ブライアンとトモさん

 

ベルクは小さいお店なので、急いでいると見逃してしまうでしょう-それでなくても新宿駅は日本で最も忙しい駅のひとつですし。この素敵なお店をご存じの方は、実にラッキーですね。

 

ベルクは25年間、ほぼ365日お店の扉を開けてきました。6年ぶりのお休みは今年の2月3日のことでした。記念ビールの醸造のために、ベルクのスタッフ7人が修善寺に遊びにきてくれたのです。コーヒーショップ兼パブ(営業時間は7:00~23:00)のベルクは1日に約1,500人ものお客さんを迎え、その8割は常連さんです。

 

職人が作る美味しいドイツ系料理とベアードビール!

 

東京という大都会の中のまた都会に位置しているとあって、ベルクは都会の中のオアシスです。朝から晩まで常に満席状態で、空席を見つけるのは宝くじに当たるような感覚ですが、ベルクには居心地の良さがあります。リラックスし、新鮮で健康的なドイツ系の料理を堪能して一息つける、そんな場所です。ベルクには友人が訪れます。そして、新たな友情が結ばれ、育まれるのです。ビール片手につまみをひとりで嗜んでいても、独特な親密さと連帯感を体験できるはずです。

 

これらの目に見えない魅力が、長年務めるフレンドリーで慣れ親しんだ店員に加え、25年以上もの間お店を成功に導いたのです。これは、どんなビジネスであっても称えるべき功績です。また、彼らのお客さんはお店に対する猛烈な忠誠心の持ち主です。6年前、ベルクの大家がお店の契約を更新しないと提示したところ、約10,000人が請願書に署名しベルクの存続を熱望したのです。結果、愛が勝ちました。ベルクは今日も元気に営業中です。

 

ベルグ x ベアードビールフェア

 

特別なビールを開発する際、私達はお客さんにどのようなビールを提供したいかイメージしてもらい、書き出してもらっています。これらのメモはビールのレシピを考えるにあたって、非常に貴重なものです。どういったスタイルや特性を望んでいるのか、そして、さらに大事なのが、お店の何がそのオーナーやスタッフ、お客さんにとって特別なのかということを、そのほとんどがそこに語られているのです。ベルクのメモは社員の市原結美さんが書いてくださいました。そこにはライジングサンペールエールへの愛が語られており、ご希望はそれに似たようなセッション・ペールエールでした。ビックリするような風味豊かなインパクトの中にも、そのビール独自の個性を持たせたい。特にホップとアロマに関しては、独特なものを望まれました。

 

一見シンプルだけど、おいしいホットドッグ

 

市原さんは、ベルクのソーセージと、一緒に提供されているバンズに特に誇りを持っていることを教えてくれました。共に地元の職人の手作りで、(私も含め)多くのお客さんがマスタードや他の余計なトッピングをかけずに食べます。肉汁が滴るソーセージと風味豊かな全粒粉パンはベルクのビールと相性ぴったりのはずです。

 

ベルクのお客さんの多くは、10分程しか立ち寄る時間がありません。この貴重な休息時間に飲むビールは、スカッと美味しくないといけないのです。そして、再び新宿という人間の波が押し寄せる街に出て行く「戦士」に、少しの励みと自信を与えなければいけません。

 

この最後の注文に私達は感心しました。ベルクスタッフのお客さんに対する深い心遣いを反映しており、彼らの一日を少しでも良くしてあげようという真摯な気持ちの表れなのです。これもまた、「ビールを祝福する」本質です。ベルク、記念日おめでとう!お祝いがもう25年続きますように。

 


 
John Chesen
 
ジョン・チェセンは、ベアード・ブルーイング・カンパニーのシニアパートナーであり、
セールスとビジネス・デベロップメント部門のディレクターである。
ジョンへのご連絡はjohn@bairdbeer.comまで。